金田一京助とアイヌ
ユーカラ――アイヌ叙事詩
ユーカラはアイヌ民族に口承されてきた歌謡形式による叙事詩。様々な神々(雀、熊、風、日等)が自ら述べ歌う形式をもつ神謡(カムイ・ユーカラ)と英雄詞曲(ユーカラ)があります
文字をもたないアイヌ民族の言葉を一語一語解読し、口承文芸であるユーカラを翻訳していくのは忍耐を必要とする仕事でした。
金田一がアイヌの伝統文化を記録する目的で知里幸恵の家を訪れた際、当時十五歳だった幸恵は金田一が幸恵の祖母たちからアイヌ伝統のカムイユカラを熱心に聞き記録に取っていく姿を見て、金田一のアイヌ伝統文化への尊敬の念、カムイユカラ研究への熱意を感じた。
金田一京助と知里幸恵・知里真志保
金田一と出会う以前の幸恵は、自らがアイヌであることへの劣等感を抱いていた。学校では日本人教師たちから「アイヌは劣った民族である、賎しい民族である」と繰り返し教えられ、幼い頃から疑うことなくそのまま信じ込んでいたが、金田一から直接「アイヌ・アイヌ文化は偉大なものであり自慢でき誇りに思うべき」と諭されたことで、独自の言語・歴史・文化・風習を持つアイヌとしての自信と誇りに目覚めた。
また、幸恵の弟・真志保の才を惜しみ、自宅に招きアイヌ学の研究者の道へ導いた。
