エピソード
あの名探偵の由来は…
横溝正史の推理小説に登場する名探偵・金田一耕助の名は、金田一京助の名がもとになっている。
横溝が『本陣殺人事件』を執筆していたころ、同作に登場する新しい探偵の名には当初人物像のモデルである劇作家の菊田一夫から取ろうと考えていた。
当初は「菊田一○○」と付けようとしていたという。だがこれは菊田に失礼だろうという事で取り止めた。
ちょうどそのころ横溝が住んでいた東京・吉祥寺の隣組にいた「金田一安三」から、「菊田一(きくたいち)」とよく似た「金田一(きんだいち)」へに変更したのである。
また安三が著名な言語学者・京助の実弟だということを知ると、「京助(きょうすけ)」の方も拝借して「耕助(こうすけ)」とした。
金田一春彦は、「金田」と読み間違えられることが多い「金田一」姓を有名にしてくれた横溝に、「千金を積んでもいい」と感謝している(金田一耕輔以前の「金田一」姓は珍姓の部類に入る姓であり、金田一春彦も苗字を「金田」と読み間違えられることは毎度のことで、特に召集されてからは軍の上官から「(苗字を金田と読んだ事から)名前が読めない」と理不尽に怒鳴られることもあったという。その「金田一」が、横溝作品の影響で誰でも読める普通の姓になった事で、それまでの名前に関する苦労もなくなったという。)。
横溝正史は金田一耕助の名前の元にした金田一京助一家に自著を贈っていた。
