エピソード
ユーカラ紆余曲折
金田一畢生の大著『ユーカラの研究:アイヌ叙事詩』I・II は、最初、欧文の博士論文として大学へ提出されたが、審査の適任者を欠くまま大学附属図書館に置かれているうち、関東大震災で焼失する。
これを惜しんだ柳田國男は、懇意にしていた岡書院店主岡茂雄に助力を依頼。岡の励ましと協力により、金田一が日本語で新たに書き直した。
出版の際には、岡の斡旋により、東洋文庫や渋沢敬三からの経済的助成が金田一に贈られた。
ユーカラとは?
アイヌ民族に伝わる叙事詩の総称である。短いものから何日もかけて語られる長いものまである。アイヌは文字を持たないため、口承で伝えられてきた。ユカラともいう。
つまり金田一は単語ひとつひとつの聞き込み調査・口承文学の語り手の歌を聴きとる・英訳する・邦訳するという気が遠くなるほど地道な事業を行ったことになる。
